台風の知らせなのか。
強い風が私たちの間を吹き抜けていく。
雲は足早に空を横断していく。まるで早く家に帰りたいように。
「俺、ずっと妃菜子と一緒にいたいしさ。」
私を真剣な瞳で見つめる椿。
そんな瞳に金縛りにあったかのように体が硬直して、たちまち体が熱くなる。
椿の握る手が強くなりまた、椿に対する想いも強くなる。
「絶対だよ?一緒に行こうね!!」
こうやって、太陽の見えない空の下で私たちは二度目の約束をした。
でもね、なぜなのかな。
神様は私たちの小さな約束でさえ叶えてはくれなかった。
私たちに与えたのは、まだ幼い私には重すぎる、罪だけだった…。
椿、私はずっと貴方を愛しているわ。
時が流れても、地球が滅びても…
あなたを失っても。