映ったものは、ぶれた写真だった。
この角度は奈月の背後。
端の方に腕が写っている。

次へいくと、撮ったものがはっきり見えてきた。

フードを被った人間だ。
電信柱の影になっている。
この道は奈月の家の途中の道だ。



「は…?」



場面は変わり、奈月の部屋だろうか。
カーテンの隙間から玄関が撮られている。
そこには先ほど写っていたフードの人間が立っていた。
きっとこれは男だ。
フードを深く被り、ポケットに手を入れて立っているところを奈月に撮られたのだろう。

それを見た瞬間気持ちが悪くなった。



どういうことだ?
もしかして…ストーカー?
でもなぜ?
なぜ奈月を狙う?




背筋が凍った。
吐き気がした。


奈月が危ないと思った。




俺は固まっていた体を無理矢理動かし、奈月の家へと走った。





お願い、無事でいて。