家に帰ってから電話で聞こうかな。
そうしよう。
そっちの方が素直に言えそうだしね。
真っ先に家へと向かう。
家まであと十数メートル。
俺は鞄からあるものを取り出した。
「奈月、いつもこれで何撮ってんだろ?」
そう、取り出したのは奈月から渡されたデジカメ。
この行為が悪夢の引き金となった。
中身を取り出すと、あるものがコロンと飛び出しアスファルトに落ちていった。
それは…
「何だ?これ…」
ロッカーの鍵だった。
それを拾い、デジカメ電源を入れ再生ボタンを押す。
人のプライバシーを覗くことは法律に違反する。
でもプライバシーの塊を渡したのは奈月だし、ちょっといいよね。
はじめに映ったのは昨日撮ったツーショット写真だった。
「やっぱりなんか照れくさいかも」
次へ進むボタンを押すと、俺は呼吸ができなくなった。
「え?なに…これ」