なぁお前は知ってたんだろ?
だから最後にあんなもの…俺に残したんだろ?
俺は奈月と別れたあと家に帰ってうかれていた。
奈月を家までは送ったことはあまりない。
前は宿題のプリントを借りに行っただけ。
あと…何だっけ?
奈月が好きな花の図鑑を借りたときかな。
奈月を門まで送るのは彼氏の役目。
俺はそう思っていた。
恋人未満の俺には途中までで終わり。
それ以上は許されない。
勝手に俺が決めているプライドだ。
「やべ、すごい楽しみかも」
ベッドに横になりながらクリスマスのことを考える。
今年は一味違う。
毎年母さんはいないし、一人で過ごすことが多かった。
でも奈月がいる。
好きな人と一緒に過ごせるなんて夢のよう。
今までは「クリスマスなんて無くなればいい」と思っていたが、ようやくカップルたちが喜ぶ理由が分かったよ。
早くクリスマスにならないかな。