でも言いたいことは言えたから良しとしよう。
「クリスマス…いいよ。私も一緒に過ごしたい」
顔を真っ赤に染めて奈月は言った。
それを聞いた瞬間、心の中の俺が叫んだ。
きっと奈月には聞こえていないだろう。
もし聞こえていたとしたら恥ずかしくてその場から急いで逃げていたはず。
「まじ?じゃあクリスマスイブから一緒にいよ?俺ん家毎年クリスマスは母さんいないから。」
「え…それって泊まりってこと?」
はっとする俺。
何言ってんだよ。
何で家に誘ってるんだよ。
嬉しすぎて舞い上がったのか?
いやいや、違う、違う。
でも…そうなったら嬉しい。
「いや…そういうことじゃなくて…やましい意味はないよ?ただ、寂しいからさ…」
苦笑いして視線を下に移す。
笑って誤魔化せるだろうか。
「…いいよ。皐が寂しくならないように一緒にいてあげる」
俺はお前だけで十分だったんだ。