これが最初で最後のツーショット写真となったんだ。
奈月はこの時、どんな心境だったのかな。
聞こうとしても聞けないよ。
「うまく撮れたかなぁ」
「さぁ?どうかな」
二人で液晶画面を覗く。
再生ボタンを押すと今さっき撮った写真が映った。
そこには笑顔の俺と奈月がいた。
カメラに向かって笑う俺たちがどこか新鮮でどこか幼かった。
「うまく撮れて良かったね!」
「うん、そうだね」
次の瞬間、奈月と目があった。二人の距離は15センチくらい。
肩を寄せあって画面に夢中だったのか、近距離なことを忘れていた。
奈月が見つめるものだから俺は目が離せなかった。
真っ直ぐ向けられた視線に吸い込まれていきそうだ。
…キスしたい。
そんな衝撃が走った。
でも俺たちは友達以上恋人未満。
「…クリスマス一緒に過ごさない?」
まだまだ未熟な俺はキスすらできない。