気になるけどそんなこと安易に聞けない。
もし「いるよ」なんて言われたら今でも積み上げてきた関係が全部無駄になってしまいそうだから。



「誘ったらOKしてくれると思う?」




「さぁ?それは皐の誘い方の問題じゃないですか?まぁ頑張れよ」




ぽんぽんと肩を叩いてクラスメートは去って行った。
そりゃ奈月とクリスマス過ごしたいに決まってるだろ。

好きだから。
独り占めしたいから。


よし、美波皐、頑張りますか。



「奈月、帰ろ?」




俺はいつも通り、奈月を呼びに行く。




「うん…」




「なぁ、最近痩せた?」




そう、最近気付いたのだが奈月がかなり痩せたのだ。
元々細かったのだがさらに細くなった。
制服の肩幅に若干ゆとりがある。


痩せたというのか、やつれたというのか。
でも笑顔は変わらないからあまり心配はしていなかった。