火照った頬や、いつもと違う雰囲気とか…勘違いしそうなその会話の間とか…
お前は俺をどうしたいの?
机に転がっていたシャープペンシルを持ち、くるっと回転させる。
何かしていないと緊張しておかしくなりそうだ。
「…皐は女子にすごい人気なんだよ」
…はい?
なんだよそれ。
いきなり何を言い出すんだよ。
一気に緊張がとける。
今までのドキドキは何だったんだよ。
てっきり「私、皐が好き」と言うと思ったのに。
呆れるを通り越して、しらけた。
「よく“いいな”って言われるの。何か皐は近寄るなオーラが出てるから怖いんだって」
シャープペンシルの回転数が上がっていく。
意味分からない。
なにそれ?
それって俺にもっと女子と仲良くしろって言ってるの?
あっそ。
そうかよ、俺は奈月だけで良かったのに。
「あっそ、分かった、分かった。もっと女子と仲良くするわ。だったら奈月も俺ばっかりじゃなくて他の男子のとこ話しに行けよ。」