そう聞いた瞬間、私は自分の気持ちに改めて気づかされた。
椿を好きでいいんだ…って。
全力で貴方を愛していいんだって。
汚い体だけど、椿は私を全て受け入れてくれた。
「椿…」
小さく呟いて嬉しさを隠した。
でもそれはすぐに溶けて、また溢れだす。
差し出された椿の左手を私の右手は迷うことなく掴んだ。
この感触大好き。
外側はごつごつしていて、内側はぷにぷにしている。
違うかな、椿が大好きなんだ。
サイクリングロードを手を繋いで歩いていく。
真っ暗な空の下を。
きっとこれから起こることを神様は把握していたのだろう。
私たちは15歳という若さで、残酷な世界を知ってしまったのだ…。
椿?
もし私がもっともっと強かったら、貴方の人生を変えてしまうことはなかったのかな。
私のこと…恨んでもいいよ。