麗美さんが、先輩を睨みつけて言った。


「圭介…最低ね…人の弱みに付け込んで…」


「……お前だって…結局俺をまた裏切ってたろ?」


先輩がどこか苦しそうに反論する。


「……私は…綺麗さっぱりフラれたわ!」


そう言うと、麗美さんは私の傍へ来て、



「ごめんね、桃香ちゃん。陸とは何もなかったし、さっきキッパリフラれたからね」


そう言って、頭を撫でてくれた。


それから、先輩の方に向き直ってまた話し出した。


「…圭介、去年の秋くらいから…また自分がおかしいのわかってる?」

「……あぁ。お前はまた気付いてたんだな…」

「…何で?何であの時期からなの?」

「……」


麗美さんの質問に、答えない先輩に、


「桃香と再会したから?文化祭で桃香と奥ちゃん会ったよね?だから?」

陸くんがキツイ口調で問いただした。