「…桃…隙だらけ…」

「ごめん…でも幹事だから…感じ悪く出来ないし…」

「…それシャレ?(笑)」

「え…?…違っ!?!?」

「やっぱ可愛いや」


慌てる私に、陸くんが笑う。



「…陸くんこそ…モテモテだね…」

「…そんな事ないし、モテてるの兄貴でしょ?」

「陸くんもモテてるよ。カッコいいし…」

「妬いてくれてんの?」

「……」

答えられない代わりに赤面して…図星ってバレバレ…

クスクス笑う陸くん。



そんな時だった。


「桃香ちゃん、ちょっといいかな?」

祐介くんに呼ばれた。


「あ、はい」

祐介くんが隣に居る陸くんに気付いた。


「あ、弟さんですよね?この前はどうも」

「…あの…名前教えてもらっていいですか?」


明らかに仏頂面の陸くん…





「え?」

「ビンゴ…幹事さんもいいんですよね?」


「あぁ…うん。大森祐介です」

「どうも。あ、俺、中谷陸って言います。宜しくお願いします」

「…中谷?」

「では、俺はこれで。」


営業スマイルで手をピラピラ振って去る陸くん。


「…祐介くん?用事は?」

「あ、曲のMDなんだけど…」


曇った顔の祐介くん。

私はそれが何でかも気づいてなかった…。