うつむいて、元気なく話し出す綾ちゃん。


「今日ね…ホテルに来る前…偶然駅で会ったの」

「誠くん達に?」

「うん。誠くん1人だったんだけど、普通に今日の2次会の話とかしてて…」

「うん」

「緊張するけど、頑張ろうねって話してたの…そしたらね…」

「そしたら?」

「今日、2次会は俺の彼女も来るんだ~って…嬉しそうに…紹介するからねって…」

今にも泣きだしそうな声になる綾ちゃん。


「彼女…居たんだ?」

「うん…だから…告る前に大失恋だよ…」

「そっか…。悲しいね…。でも…きっと誠くんよりいい人居るよ!
 なんか王子様って感じじゃないもん…誠くんって…もっと他にいるんだよ、運命の人!」

「…クスっ…桃ちゃん…ありがとぉ」


綾ちゃんは、切なそうに笑った。


恋愛って難しいなぁ…。

上手くいかない事も多くて…