宏夢は私の涙を拭きながら言った
「今日…決める日だな」
「うん、」
「まあ…どっちでもいいっちゃ
どっちでもいいんだよな。
美香と一緒にいられれば、」
と、さらっと
大胆な事をいいだした
「…いや、うん、そうだけどさ…
宏夢は、アメリカに行きたいと思う?」
「うーん…英語って
話せないわけじゃないけど
苦手なんだよなー…
…でも美香のことを考えると…」
チラリとこちらを見る
(私を考えると?)
「あー…美香、前にさ…
留学してみたいって言ってたじゃん
だから美香のためにも
渡米って選択はありなのかなーって」
なぜか恥ずかしそうに
話す宏夢になんだか感動した
(その話…
だいぶ前のことなのに…
覚えててくれたんだ)
そんな宏夢の小さな優しさに
勝手に顔がにやけてくる