それは二学期の始業式のこと。下駄箱で彩花に会って焼き肉食べ放題ドタキャンしたことをねちねちなじられて『代わりになんか奢るから!!』と約束したとこまではいつも通りだった。
教室のドアを開けた瞬間から、私の世界は一変した。
――ガラッ。
瞬間、教室の空気が凍ったのが、わかった。違和感を覚えながらも席に向かうが、私の机がない。ふと前を向くと、黒板に書かれていた文字に、私は愕然とした。
――たかはしゆかシネ。
一体、なんなんだろうか、これは。
「……ぷっ」
「あはは、ヤバくない?固まっちゃってんだけど」
「高橋さん、あたし言ったよね?」
赤沢早苗だ。
「亮にベタベタすんのは止めろって」