何時の間にか花火は終わっていて、漆黒を取り戻した空には代わりに星が輝いている。

「じゃあ、帰ろうか」

本当は、

「うん」

まだ帰りたくない。亮と、もっと一緒にいたい。

亮は、一応私がレディだからということで、家まで送ってくれた。

帰り際、『ゆかちんの私服、マジ萌えたわ』と言ってくれたけど、冗談なのか、なんなのか。

紆余曲折はあったけど、今日は私にとってスペシャルな1日になった。誘ってくれて、ありがとね。

それから亮はちょくちょく私に電話してくれるようになった。私は亮からの着信にいつまで経ってもなれず、『ハニー』が鳴る度に、毎回慌てて、毎回ドキドキしていた。あの花火以来会って遊んだりはしなかったけど、私は十分満たされて幸せだった。好きな人って、凄い力を持ってるよなーって思う。

亮からパワー貰ってるよ、私。

でも、私の胸にはある疑問が湧いていた。それは――亮は私のこと、恋愛対象としてみれていないんじゃないでっしゃろか?私はもう亮に気持ちを伝えたし、いつでも準備OKユア☆ウェルカム状態なのに!!まあ徐々に距離は近付いていってる気がするし気長に待てばいっかあ。

と気楽に考えていた私であるが、その思いは無惨に打ち砕かれることになる――