その時、タイミングを見計らったように、携帯があの音色を奏でた。

この曲は……!!

即座に携帯を掴み、慌てて電話に出る。

「もっ、もっ、もしもしっ?」

「……ははっ。何キョドってんだよ」

懐かしい、耳に心地良く響く声。

「元気だった?ゆかちん」

亮の声だ……。

涙で滲む目を擦りながら言う。

「たった今、元気になった!!」

「ははっ。なんだよ、それ」

暫し、沈黙が続いた。いっぱい話したいのに、胸が詰まって、言葉にならない。

「ゆかちん、明日空いてる?」

「え?あ、明日は……」