俺はそう言うと、莉紅をギュッと抱き締めた。




「…………」




「わりぃけど…お前にこいつは渡さねぇよ」




「………淳君」




莉紅が俺をジッと見る。



「大丈夫だ」




俺は莉紅の頭を撫でた。



「………くそっ」




あいつは教室を出て行った。