「…………」




石川は俺を見ることなく起き上がると、緩んだネクタイを結び直した。




でもその表情は…。




少し寂しげだった。




「お前…莉紅のこと好きなんだろ?」




俺はそう言うと石川に視線を向けた。




「………だったら、何」