あたしは後退りしてたけど、背中にヒンヤリと壁の感触があった。 壁…ぶつかった…。 「………あなた、誰…」 あたしはそれしか言えなかった。 怖さから声が震える。 けど唇を噛み締めて必死で堪える。 「………俺?名乗るもんの程でもねぇけど?」