「逃げるなよ。」



真剣な先生の眼差しだけで、顔がボッと火がついたように熱くなる。



「にっ…逃げたりしてません!」


「だって、俺が幸歩の近くに行くと、離れようとするじゃん。」


それは……


ドキドキする心を紛らすためです…!


「先生っ、あの…どいて下さい……。」


ドキドキのあまり、小さく震える声でお願いをする私に、



「ダメ。」



フッと意地悪な笑みを浮かべた先生は、優しく唇を重ねた。