気付けば、私は先生の胸の中に顔を埋めていた。 「幸歩、遅すぎ。」 フウッという先生の吐息が私の髪の毛を揺らす。 「遅くないですよ!むしろ、早過ぎるくらいです!」 「俺、なかなか幸歩が来ないから、迎えに行こうかと思ってたんだぞ?」 大げさですよ、先生…!! 私の嫌な予感は的中だったなあ…。 先生のことだから、なかなか行かない私を心配して、家に来るんじゃないかって、ふと思ったんだよね…。 まさにその通り…。