「それで、その人たちは…?」


「…向こうは俺が柊兄ちゃんだと思って声をかけてきたみたいだから、振り向いた瞬間、ビックリしてたよ。“すいません、人違いでした…”って謝ってたなぁ。」


「あの…何か会話とかは…?」


「マンションの住人なのか聞かれたから、ずっと前から住んでるって言って誤魔化しておいた。そうしたら、あっさり帰って行ったよ。完全に俺と柊兄ちゃんを間違えてたって、思ったんじゃないかな。」


なるほど…。


それで、噂が嘘だったっていうのが、急に広まったんだ…。