その沈黙の時間が、胸をギュッと締め付けるように苦しくて、私が“先生?”って呼ぶと、電話の向こうから声が聞こえてきた。


『ちょっと、噂のこと聞かれただけ…。まだ噂の段階だし、校長先生もあまり気に留めてないみたいだったけどな…。』


なんだか先生の声は、わざと元気に振る舞っているような気がした。


『幸歩……あのさ…』


やけに低い先生の声が私の耳から心の奥へと響く。


続きの言葉に胸騒ぎがした。



『俺…、噂が冷めるまで、しばらく幸歩と距離を置きたい…。今は、それがいいと思うんだ…。』


私は唇をキュッと噛みしめながら、先生の少し震える声を聞いていた。