「幸歩、心当たりとかないの?同じマンションに入って行くってことは、きっとお泊まりした時とか、デートした日とかでしょ?」


うっ……


そういう日とは限らないんだよなぁ…。


言葉に詰まる私を梗子は不思議そうに覗き込む。


「…とにかく、今後も気を付けてた方がいいかも。目撃した人…、新聞部の部員みたいだからさ…。」


梗子の言葉ばかりが、頭をグルグル回って、その後は授業どころじゃなかった。

新聞部の人…。


私はふと…、こんな小さな噂で終わらない予感がしたんだ…。