でも聞かないわけにはいかなくて、私は耳を傾けた。 「…時期は不明なんだけど、ある休みの日に幸歩がマンションに入って行った少し後に、綾月先生が同じマンションに入って行くのを見たっていう生徒がいるらしいんだ…。」 私は、ピタリと体が硬直した。 正直言って、その出来事に覚えがなかったから。 もしや見間違え…?なんて甘い考えが頭を過ったけれど、噂の感じだと、どうやら違うみたい…。