「先生!寝てるフリしてたんですか!?」 「さっきまでは寝てたよ。ドアを開ける音がしたから目が覚めた。幸歩が来たんだな〜と思ってさ。」 だったら、わざわざ寝たフリをする必要はないでしょ? 私ったら、完璧に騙されちゃったじゃん…。 「幸歩は油断しすぎなんだよな。」 フッと笑う先生の吐息が私の前髪を揺らす。 油断も何も、先生が起きてるなんて、想定外だったんですけど…。