み「えへへ…」

あたしはさっきから上機嫌だ。
それを横から気持ち悪っ!
っと言いながら見ている菜々子。

な「あんたさあ…、何かあったの?」

み「見て見て!!」

あたしはアドレス帳の
拓水のページを開いて菜々子に見せた。

な「だからそんなに機嫌がいいのね。
…瑞季さ、好きだよね。神谷の事」


“好き。”

これが、どういうものなのか
あたしは知らない。
だから拓水への感情が“好き”ってものなのかもわからない。

み「あたし…まだわかんない。」

あたしは一言そういう。

な「そっか。まあ、いつか分かるよ!」

焦らずゆっくりね。と
付け足して菜々子が
あたしの頭をポンポンと叩いた。

な「瑞季!お腹すいたし、
寄り道して帰ろ~」

み「うん!そうしよっ
あたしドーナツ食べたいな」

あたし達は元気に教室から出た。