み「あ、呼んだ?」

な「呼んだ?じゃねーよ
10回くらい呼んだわ。」

これから部活入ろうか、とか
友達できるか、とか
…神谷くんと仲良しになりたい、とか
考えてたら菜々子が
あたしの事呼んでるのも
気付かないほど自分の世界に
入り込んでいた。

な「あんたさあ…
神谷とか言う人の事考えてた?」

み「あ、そうそう。
………って、ええぇー?!!
そんなわけないじゃんっ」

何でわかったの?!
やっぱり、菜々子スゴイ。
そう思ってるけど言わない。

な「ふーん。
つまんないねえ。」

菜々子がニヤニヤしながら
あたしの方を見てるのを
見て何だか恥ずかしくなった。

み「あたし、
滅多に男子に興味もたないもん。
よっぽどカッコイイ人じゃなきゃ
ダメだもん。」

た「へえー、あんだけ
俺に見とれてたじゃん?
本当は興味あるんだろ」

み「だから無いってー!!!!
………え?神谷くん?」

いつの間にか神谷くんが隣にいて
話に介入していて驚いた。

な「いつの間にここにいたの?」

菜々子もあたしと同じ事思ってたんだ。

た「つか、神谷くんとか
堅苦しい呼び方じゃなくていいよ、瑞季」

み「じゃあ、なんて呼べばいいの?
…………今、瑞季って言わなかった?」

た「言ったけど?なに。」

言ったけど、じゃなくて!!
普通いきなり名前で呼ぶ?!

た「拓水って呼んでよ。」

本当、この人といると
驚く事が多いよ…

み「うん…よろしくね、た…拓水。」

ちょっと照れる!!

な「何かあんた等いい感じじゃん!!」

ニヤニヤした菜々子を見て
二人でつっこむ。

み・た「こんな奴といい感じに
なりたくないしっ」

同じ事、言ったのがおかしくて。
何となく、この時間が幸せで。
ずっとこんな日々が続けばいい。
そう思った。
続くはずないのにね…