親父とゆっくりバージンロードを歩く



隣にいる親父を見上げると、
しっかりとした目で、龍を見ていた。



さっきまで、おお泣きしていた人には見えない。
どちらかと言うと、どこか誇らしげに前を向いていた。




その顔を見ていると、
今度はあたしが泣きそうになる。




不意にこみ上げてくる涙を
無理やり抑えて、龍を見た。









龍は穏やかに笑ってあたしを見た。






「…姫希を…頼むぞ。」



「はい。もちろんです。」





ぶっきらぼうに言う親父に笑顔で答える。





あたしは親父から離れ、龍の腕をとった。