“シャツ返して。”



呆然としている私に右手を出してくる




“あの…さっきの多田主任が言った事の意味って…”




“三上から直接聞いたワケじゃないから…だけど、たぶん三上はあんたに惚れとるで。”




ハッキリと言う低い声




言葉の内容よりも その声にドキッとさせられる




“自分にはよう分からん。あんたの気持ちが…。自分にkissしといて、三上と付き合ってるなんて。……噂なんて気にする事ないんじゃない?”




!!知ってたんだ




“多田主任に私の気持ちなんて分からないですよ。彼女いるのに…私に関わらないで下さい”




“彼女?”




“あの海岸でkissしてたじゃないですか?”




ククク。っがはは。




ダイナミックに笑い出す




“あんた。本当、面白いヤツ。大人には大人の事情があるんだよ。まだまだ、お子ちゃまのあんたには分からないだろうけど…”




なんか。




なんか。




なんか ムカつく。




“彼女なんて呼べるモンは いないよ”




フッと笑うその顔が とても温かく優しい









ダメだ




私…やっぱり 多田慎二に惚れてる




もう どうしようもないぐらいに