“まだ、時間あるよな?”



“あるけど…どうしたの?”




“いや。ちょっと待っててな”




大和が車を停めたのは 眼鏡屋さん




“えっ!?ちょっと待ってよ”




“いいから、待ってて”




“う、うん”




大和は眼鏡屋さんに入って行き しばらくして出てくる




“はい。俺からのプレゼント。おそろいなっ。”




差し出された赤い眼鏡ケースを開けると 茶色の縁のとてもオシャレな眼鏡




隣りでは 大和も黒の眼鏡ケースから同じブランドの黒縁のこれまたオシャレな眼鏡




“大和って、目 悪いの?”




“いや。俺のは度なし”




“ありがとう。とっても嬉しい”




“よく似合ってるよ”




大和の顔が近付き 眼鏡がコツっと音を立てると同時に 唇が重なりあう




煙草の香りがする




……………………………………………―――――――――――――――――――――――――――――多田主任と同じ香り









あの時 …… 浜砂さんが亡くなった日 …… 噂になった原因のあの時の …… 私からしたkiss









同じ………香り