この日の午後 退院した




病院から退院した足で 沙耶と待ち合わせした場所へと向う




“大丈夫か?無理しなくていいんだぞ”




と、言いながらもどこか嬉しそうな表情の三上さん




“大丈夫だよ。どうしても、やまとに会わせたいんだ”



“そうか。しんどくなったら言ってな”




包帯を巻かれた左手をそっと触る




…私 きっと 多田主任の事忘れられるよね…?




右側でハンドルを握る三上さん…いや 大和が私の右手をさり気なく握り締める




繋いだ手から大和の体温が伝わってくる




身体の中がポカポカ陽気で 外の曇り空とは正反対




たまに 目が逢ったりして




コンタクトしてなくても 大和がどんな顔をしているのか分かってしまう




“俺の顔、なんか付いてる?”




大和を見つめる私に、イジワルに言う




“ごめん、今日コンタクトしてないから何も見えないよ”



私も イジワルに言い返す




“なーんだ。てっきり俺に見とれてるのかと思ったんだけどな”




“ざんねんでした♪”






こんなやり取りが とても楽しい