目なんか覚ましたくなかった




このまま永遠に眠りに落ちて 誰も好きにならない世界に逃げたかった




私 逃げてるばかりだ…




三上さんからも逃げて 多田主任からも逃げて




挙げ句の果てには 自分からも逃げてる




逃げてるばかりの私の手をギュッと強く握り締めるその手は 大きくて柔らかくて、とても生命に満ちあふれてる




三上さんは一時も私の手を離さなかった




それは苦しみでもあり 優しさでもあり 安らぎでもあった