病室にスリッパで歩く足音が近付く
“本当に、ごめんなさいね…。三上さんでしたよね?この娘に彼氏がいたなんて知らなかったものですから。普段から何をしてるのか、何を考えてるのか分からない娘なんです。こんな形でお会いしてしまうなんて…どうかこの娘の力になってやって下さいね”
“いえ。力になってもらっているのは、僕の方なんです。”
“今日はこの娘の側に居てやってもらえますか?きっと、この娘が目を覚ました時に私よりもあなたに居てもらった方が安心すると思いますから。本当、すいません。至らない親で。”
…お母さん…
私は泣く事も動く事もできずに ただ2人の会話を聞いていた