気が付くと そこは明らかに病院の部屋




白い包帯を巻かれた左手に温かい物が感じる




ベッドの脇を見ると




そこには俯せに伏せて眠っている三上さん







ああ 私…手首……







繋いでいた三上さんの手が離れ それに驚いた三上さんが目を覚ます




私は咄嗟に寝たふりをしてしまう




“ぁわ。”




場違いな三上さんの声にならない声やよだれを啜る音に 思わず笑ってしまいそうになる




そして 私の髪を優しく撫でて 包帯の巻かれた私の左腕にkissをする




“ごめん…な。だけど、八重を離したくないんだ”







たまらない沈黙が 私の胸や喉の奥を締め付ける




《私こそ、ごめんね。》