“なら、今度お互い彼氏と一緒に会わへん?”
“うん。イイけど…。どうしたのいきなり”
“八重の守りたい人って見てみたい”
“そっか…分かったよ”
私達はその週の日曜日に会う事にした
そういえば 三上さんと仕事以外で会うのって初めてだな…
翌日
“三上、あ、やまと。今度の日曜日空いてる?”
遅番でやって来た彼に 昨夜の沙耶との約束を話す
“もちろん行くよ。八重から、デートに誘ってくれて嬉しいよ。八重の友達も知っておきたいし…”
人のいない詰所で さり気なく手を繋ぐ
“仕事に戻らないと…じゃあ。日曜日ね”
温かい三上さんの手を解き 私は詰所から出る
詰所から出て廊下を曲がると
“三上と別れたって噂が立ってるけど、本当?”
前からやって来た多田主任が どこか悲しげな顔で言った
“大丈夫です。私達よりを戻しましたから…”
“そうか。なら良かった”
《なにが良いの?》
途端に明るい顔でそう言う
“心配して下さってありがとうございます”
“ああ。まぁ上手くやれよ”
《何を上手くやれというの?》
分かってたハズなのに 私の心はメチャクチャだ
私は 三上さんの笑顔を守るんだ
そう 決めたハズでしょ?
一生懸命 心の中でその言葉を反芻して
メチャクチャの心を整理していく