“八重?俺の事、大和って呼んでよ”




“やまと”




なんだか 少し恥ずかしい




“八重…”




胸板に絡めた私の腕を優しく解き 私達は向かい合う




“八重”




優しく微笑み私を抱きよせる




煙草の匂いと 微かな香水の香りがする三上さんの胸




“八重”




三上さんは何度も何度も 私の名前を呼ぶ




だけど…









私は三上さんを“大和”って呼べなかった




なんでか分からないけど




呼んではイケない気がした