大きな段ボールの前に座り込んでいる三上さん




その後ろ姿は 小刻みに震えている




下をうつむいたままのその後ろ姿は 私をかばってくれた時の広さを感じない




とても小さく儚い物に感じる




鼻を啜る音




耳まで真っ赤になったその姿を




見て見ないフリは 出来なかった




持っていた荷物を放り投げ




私は




三上さんを後ろから抱き締めていた









もう後戻りは出来ない







…後戻りはしない