次第にエスカレートして行くケンカ。


「くそぉ!」


「バカが!」


力、体格でもボクはお兄ちゃんには勝てない。


顔を殴られ、痛みに耐えながら、それでも立ち向かう。


身体全体が痛いけど、負けたくない!


唇が血に染まるけど、流血してもボクたちは暴れ回った。


そして、ついにお兄ちゃんが……。


「いい加減にしろ2人共!」


このお兄ちゃんの怒った顔、今まで見た事がない。


本当に怒らせてしまった。

ボクたちはしゅんとなり、静かになった。


むなしく響くテレビの笑い声が、室内に残る。


「お前たち2人は兄ちゃんを困らせたいか!?全く……ボクはな──」


お兄ちゃんが説教に入った時だった。

ボクたちが真っ青になる出来事は。


お兄ちゃんの……口から血が溢れたんだ。


「正!?正―――!!!」

お母さんは大声を張り上げ、お兄ちゃんは肩で息をする。

溢れた血が布団を赤く染め、ボクは……腰を抜かして、ガタガタ震えていた。


「兄貴!しっかりして!」


溢れる血が全く止まらない。


それはまさに地獄のような画だった。


お兄ちゃんは……治っていないんだ……。


ボクは……