「おいっ、お前ここの席じゃないだろう?自分の席行けよ。」
クラス全員の顔は覚えてなくても、隣りのやつの顔ぐらいは覚えている。
「いいじゃん、ヒマそうにしてんだし、ちょっとぐらい喋ろうよ。それにお前じゃなくて、渡辺。渡辺大志だ。覚えとけよ!」

厄介なやつに絡まれた・・そう思った。俺はこの手のタイプが一番苦手だ。何かと好奇心旺盛なやつ・・・。
「それに、俺、神村に興味あったんだ~。どっから来たの?誕生日いつ?彼女いる?」
「めんどくせぇなぁ。一度に質問すんなよ・・・。
……前は仙台にいた。誕生日は2月1日。彼女はいない・・。」
半分やけになって、全部答えてやった。無視すると、また、つっかかってきそうだからだ。