こっちに来て、2週間ほどたったある日、俺は朝早くに目が覚めた。と言っても、1時間ほど早いだけだ。
2度寝をすると確実に起きれないことは目に見えていた。
別にすることは何も無い。だからって、朝から勉強しようとも思わない。
一応は受験生なのだが。…

しょうがなく、時間はいつもより早いまま、支度を済ませ学校に行った。
遅咲きの桜がちらほら、校門で俺を迎える。
きれい・・・そんなこと思いながら、俺は教室に向かった。
午前7時・・グランドにはまだ朝練の奴等もいない。

教室での俺の席は窓際の一番後ろという、最高の場所だ。
何をするもなく、俺はただ外を眺めていた。朝練のやつらが、ちらほらと登校してきている。