放課後、俺は職員室に向かった。渡辺のことを聞きに行くためだ。
「失礼します・・木村先生。ちょっと聞きたいことがあるんですが・・」
「おお!神村か~珍しいなあ。なんだ?何でも聞いてみろ。」
担任の木村は俺が訪ねてきたことを珍しく思ってか、少し嬉しそうに俺に聞き返してきた。
「先生・・渡辺って知ってますか?」
「渡辺~?どの渡辺だ?匠か~??」

渡辺 匠というやつは、学校内ではそうとう有名人らしい。誰に聞いても、そいつの名前が出てきそうだ。
「違います・・。渡辺大志です。」
「大志!?・・・お前何故、大志の名前を知ってるんだ?転校してきたばっかりなのに・・」