香奈が何やら話しているのを横流しにしながら

私は私の前を歩いている男の子に
目が釘づけだった。


色が白くて
目がパッチリ二重のつり目、
髪が金に近い茶色、
風にさらさらとなびいている。
背はそんなに大きくないけど
むしろ小さい方がカワイイから
全然いい。
まさに天使だ。



カワイイなぁ…
抱き締めてみたい。


私は頭の中で
太陽に反射して輝く彼の髪の毛に
自分の手が触れるのを
イメージした。





「ぢゃっ、またあとでねっ!」

元気のいい香奈の声。

あれ…いつの間に教室ついちゃったんだろ。


香奈は陽気に走り去っていった。


あーあ香奈行っちゃったよ…
心細いなぁ

知らない人と仲良くなるのって苦手




…しかもあの男の子見逃しちゃったし。


私の前を歩いていたあの子
はすでに自分の教室へ
入ってしまったらしかった。



残念。



ま、いっか。
後で何組か調べちゃおっかな。




私は指定された席に着いた。


窓際の一番後ろだ。


空を見上げると
流れた雲が太陽を隠していた。







なんだか、殺風景だな。

ふと、そう思った。