ちらほらと白い雲が浮かぶ青空、
太陽が眩しい。


初々しい制服姿の新入生が
緊張した面持ちで校舎に向かっていた。




「ねぇ、美夏ぁ!クラス違ったねぇホント不安だよー!
でも隣のクラスだしいっぱい喋ろうねっ!!てかさぁ高校ってどんなんだろぉ〜美夏さぁ、モチ髪染めるでしょ!?…
……………………ッてもうっ!!
ミカぁ!聞いてんの!?まったく!いつもそうなんだからっ」

香奈はちょっと怒ったように言った。


香奈は、中三の時のクラスメートで
他の子たちよりは仲良くできた。
というか、居心地がよかった。
香奈と志望校が一緒だと分かったとき、なんだか安心したのを覚えている。


今日の香奈は妙にウキウキとしている。


高校生活初日だからかなぁ…


まぁ、
香奈はもともとウキウキした性格だ。
いつものことである。



私は
「ふーん、そうなんだぁ。」

などと、気のない相づちを打った。

香奈は私が全くもって
うわの空であることに気付きながらも
何やら話を続けていた。



香奈が言うように

私がうわの空であることもまた、
いつものことである。




ふぅ、それにしても暑い。