昼休みになるとすぐに、健一は席を離れて教室から出て行った。


「紫、お弁当食べよ!」


「うん」


千晶に促されて、お弁当を手に持って健一の席に座った。


今の席になってからは、彼の椅子を借りて千晶と一緒にお弁当を食べるのが、日課になっている。


あたしは、いつも通り千晶の机の上でお弁当を広げて食べ始めた。


「紫のママって、料理上手だよね♪」


千晶は、彩り鮮やかなあたしのお弁当箱を覗き込みながら、キラキラとした笑みを浮かべた。