「お前ら、朝から煩い……」


いつも通り始業時間ギリギリに登校して来た健一が、盛り上がっていたあたし達に開口一番低く言い放った。


「はぁ?」


千晶が少しだけ睨みを効かせると、彼も負けじと彼女を睨み返した。


もしこれが漫画なら、二人の顔の間には火花が散っているかもしれない。


また言い合いするのかな……


あたしの小さな心配を余所に、今にも始まってしまいそうだった二人の喧嘩は、朝のHRの開始を告げるチャイムによって見事に止められた。