「紫ちゃんは、今日が誕生日だから俺に会いたいって思ってくれたの?」


どう答えればいいのか、よくわからなかった。


確かに、今日が誕生日だから、虹希さんに会いたいと思った。


だけど…


今日が誕生日じゃなくても、あたしはきっと彼に会いたいと思っていた。


あたしが黙ったままでいると、虹希さんがフッと笑ってから話を続けた。


「まぁ理由はどうであれ、俺は紫ちゃんとまた会えて嬉しいよ」


彼は優しい声でそう言って、ニッコリと笑った。