乱暴にリビングのドアが開いたと思うと、
「…なんだコイツ。おい、宗輔お前また新しい担当の女連れ込んでんのかよ」


と、今までの美男子と顔は似ているが話し方はまるで似ていない、短髪で目付きの悪い男が顔を出し、私を見るやいなやそう言った。


「洋輔。お前はまったく相変わらずな口の聞き方だな…。彼女は今日からここに入居する桐島鈴ちゃんだよ。」


呆れ顔で答えた宗輔さんに、あっそ、とだけ答えて、冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出すと、階上に消えていく。


唖然としている私に、


「彼は、この家の三男、藤代洋輔。君のひとつ上で、同じ高校の2年なんだ。ちょっと無愛想だけど、根は悪くないから。」


と、苦笑いしながら説明した。



「あのぅ、では三兄弟で…?」


と、そこに勢いよくリビングの扉が開き、心臓が止まりそうになった。


「やぁやぁ、君がリン?ん~、キュート!僕は光輔だよ、よろしくね!」

と、急に男の人が抱きついてきた。
面食らってされるがままになっていると、体を離した光輔と名乗る男の子が、にっこり笑った。



「いきなりだと彼女が驚くだろう?」

と宗輔さんがたしなめる。

「彼は、四男の光輔。君の一つ下で、アメリカから帰国したばかりなんだ。」



「よろしくね!」



と、光輔くんが、人懐っこい笑顔で私に向かって言った。



きき、聞いてない…よ…。
どうなってんだぁ!?