がさっ



とうとう音はマリーが居るところまで来てしまった。
反射的にぎゅっと目を瞑ったマリーだったが、そこに居るはずの何かが全くなにもしてこないことを不思議に思い、そっと目を開けた。




そこにいたのは、一人の男だった。



立派な黒の鎧を身につけている。
短く整った髪も鎧と同じく漆黒で、そこだけ闇があるかのようも感じる。




男は青い瞳でマリーをじっと見つめていた。