シリウスはさっとマリーの手を引き壁ぎわまで下がる。


あの占いが脳裏をよぎった。



「お師匠様…?」



不思議そうにシリウスに手を引かれて壁ぎわまで下がったマリーだったが、ふと沈黙と視線に気付き、その先を見やった。



「カイ…」



その呟きをシリウスは聞き逃さなかった。


なぜマリーが王弟を…


そこまで考えて、あの日のことに思い至る。


そうか、あの様子がおかしかった日。どうやってかは分からないが二人は出会ったのだ。


すでに点ではなく、線となり運命が交じりだしていることを感じ、シリウスはくっと奥歯を噛み締めた。


隣ではマリーが混乱の目でカイを見つめていた。